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2013年10月 6日 (日)

堀江敏幸が撮した写真

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堀江敏幸の著作には自ら装丁を手がけたものがあって、その中の『彼女のいる背表紙』などは表紙の写真も自分で撮影したもの。また、『もののはずみ』にも数々の小物の写真が掲載されています。

そして、とうとう一冊丸ごと写真のみで構成された『目ざめて腕時計をみると』が刊行されたのです。

フランス滞在時に撮影されたと思われる街や郊外の風景のほか、スライド・プロジェクター、タイプライター、オーディオ・セットなどの道具類がモノクロームの美しい写真となって纏められています。

これらの写真を眺めていると、堀江さんのものの見方が追体験され、彼の小説や随筆などの中に入り込んだ錯覚を覚えます。

『目ざめて腕時計をみると』(ビームス、2012)

2012年12月22日 (土)

高速バスで渋谷へ

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高速バスに乗って渋谷へ行ってきた。東京都写真美術館で北井一夫の写真展『いつか見た風景』が開かれているのだ。

僕は北井一夫の写真が好きなのだが、これまで見たのはどれも写真集という印刷媒体だったので、いちど印画紙に焼き付けたものを見ておきたかったのだ。

東京都写真美術館は恵比寿ガーデン・プレイスの一角にある。ここはサッポロ・ビールの工場があったところで、僕はその頃この工場内を見学したことがあった。恵比寿駅から美術館に向かって歩いていると、懐かしい気持ちになった。

写真展『いつか見た風景』は北井一夫の写真を年代順に網羅する内容になっている。彼はカラー写真も撮っているのだが、今回の個展では白黒写真のみの構成となっている。

最初期の作品はフィルムの状態が悪く、フィルム同士がくっついて保管されたと思われるものや、カブリや傷があるものもあるが、印画紙にはそのまま焼き付けられ、デモ隊やバリケードの様子が荒々しく表現されている。

『アサヒ・カメラ』誌に連載された『村へ』は、雑誌ではとても硬調だったのが、今回は階調豊かに質感が表現されていて、これを鑑賞できたのが僕にとってはとてもうれしかった。

また、写真集『三里塚』を観て気が付いたトリミングなしの焼付けは、展示されたすべての写真で徹底されていた。

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