日常

2017年4月14日 (金)

懐かしのサラ・マイルズ

いま NHK BS プレミアムで『名探偵ポワロ』が再放送されている。これを録画しておいて、好きな時間に見ている。

この間は『ホロー荘の殺人』というのをやっていた。ポワロが招かれたアンカテル卿の屋敷で殺人事件が起きるという話。2005 年に放送されたものの再放送らしい。

このアンカテル卿を演じた俳優に見覚えがあったのだが、あとで調べてみたら、同じ NHK の『シャーロック・ホームズの冒険』の二代目ワトソン役エドワード・ハードウィックだった。主役がいいのはもちろんだけれど、脇役がまた渋いなあ。

だが、『ホロー荘の殺人』でエドワード・ハードウィック以上に存在感を示していたのが、アンカテル卿の夫人ルーシーを演じた女優だった。この人もどこかで見たことがあるような気がしたけれど、ドラマを見ているときは思い出せなかった。それでこれもあとで調べてみたら、サラ・マイルズとのことで、驚いた。

サラ・マイルズが主演した映画はこれまでたった二本しか見ていない。デヴィッド・リーンが監督した『ライアンの娘』と三島由紀夫の原作を映画化した『午後の曳航』。二本とも好きな映画だったなあ。この若いときの雰囲気が『ホロー荘の殺人』でも感じられ、懐かしかった。

ところで、サラ・マイルズがずっと昔、NHK 教育テレビの英語の番組に出ていた記憶があるのだけれど、このことを知る情報はネット上でも見つけることができなかった。それとも、僕の思い違いなのかな。

2016年12月17日 (土)

放送大学の面接授業『夏目漱石の人と文学』

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夏目漱石の小説『行人』を読んだ。

漱石は、小学生の頃に『坊ちゃん』、高校生のときに『我輩は猫である』、成人してから『三四郎』『それから』を読んで以来、実に四十数年ぶりのこと。というのも、放送大学今年度二学期の面接授業(スクーリング)『夏目漱石の人と文学』で『行人』が取り上げられることになり、授業を受ける前に読んでおく必要があったからなのだ。

新潮文庫版のカバーにこう記されている。

学問だけを生きがいとしている一郎は、妻に理解されず、親族からも敬遠されている。我を棄てることができず孤独に苦しむ彼は、愛する妻が弟の二郎に惚れているのではと疑い、弟に自分の妻と一晩よそで泊まってくれとまで頼むが……。

と、一郎の孤独は当時のインテリゲンチャの悲劇としか言いようのない、ほとんど病的なものだ。この厄介な小説を、当時の社会情勢、作家漱石の私生活等を押さえながら、八コマの授業で読み解いていく。講師は静岡大学人文社会科学部の元教授、酒井英行氏。

授業はちょうど、NHK-BS で不定期に放送される『深読み読書会』のように進行する。しかし、どんなに深読みしたところで、明解な解答が待っているわけではない。小説中に書かれていない以上当然のことなのだが、しかしながら、どんな突飛な解釈も許されるかといえば、もちろんそうではない。講師は、解釈に至った根拠を示すことが重要だと説く。

夏目漱石『行人』(新潮文庫、昭和 27 年)

2016年12月 1日 (木)

静岡文化芸術大学公開セミナー

 

Suac
浜松市にある静岡文化芸術大学では、一般向けの公開講座が数多く開講されている。この秋には三回にわたって文化芸術セミナー「美術と音楽の西洋史」が開かれた。今回は西洋史の後編で、「ロマン主義・ロマン派」「印象派・印象主義」「現代美術・現代音楽」。これは昨年の前編「ルネサンス」「バロック」「新古典主義・古典派」に続くものなのだが、僕はこちらは知らずにいたので、今回後編のみを聴いたのだった。

講座は三回とも、前半の一時間が美術と音楽の講話で、立入正之准教授、上山典子講師から美術史、音楽史における時代的、作品的な特徴が解説された。

後半の一時間はピアノ演奏で、「ロマン主義・ロマン派」では石井園子さん、「印象派・印象主義」では原田麻里さん、「現代美術・現代音楽」では大井浩明さんがそれぞれの時代の代表的作曲家の曲を演奏した。

この中で珍しかったのは、シェーンベルク、ウェーベルン、ベルクの管弦楽曲、弦楽四重奏曲を米沢典剛氏が編曲したピアノ独奏版を取り上げていたことで、いずれも今回の演奏が世界初演とのこと。ただ、僕には、ウェーベルンの『交響曲 Op.21』、ベルク『叙情組曲』などの精妙な音色や響きが、ピアノ独奏版ではうまく再現できていなかったような気がした。

演奏が終わって拍手のあと、演奏者が客席の一人を紹介していた。その方が編曲者の米沢氏かもしれないと思った。

毎回八頁の印刷物が配布されたが、このうち四頁が上山講師による演奏曲目の解説になっていて、これがとても詳しく、鑑賞上大いに参考になるので、保存することにした。1970 年代後半、研究家ジョージ・パールによる『叙情組曲』の成立事情も、当然のことながら、盛り込まれていた。

2014年2月 5日 (水)

放送大学二学期の試験が終わった

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放送大学の今年度二学期は「英語の軌跡をたどる旅」を履修していました。その試験が先ごろ終わったのです。

「英語の軌跡をたどる旅」で扱っているのは、メルヴィン・ブラッグ Melvin Bragg の「英語の冒険:ある言語の一生」The Adventure of English : The Biography of a Language。

印刷教材の中で、著者のブラッグが紹介されています。彼は、大学で現代史を専攻した後、映画の脚本やテレビ・ラジオの番組制作に関わり、小説やノンフィクションも多く執筆しているとのことです。

つまり、この教材では、英語の歴史が述べられているのですが、それは学者が書いた研究書ではなく、作家の手になる物語なのです。

それかあらぬか、文章は大変に凝っています。一つ一つの文が長く、修飾の語句や節が多く挿入され、強調による倒置が随所にみられ、比喩的な表現が繰り返され、ときに鋭い皮肉も交じるといった具合。

放送大学の授業科目案内では、今年度一学期に履修した「英語圏の言語と文化」が英語科目の中ではもっとも発展的な内容を扱っているとのことですが、僕には、読解の難しさに関していえば、こちらの「英語の軌跡をたどる旅」のほうがまさっているように感じられました。試験がまた厄介でした。

2014年1月 2日 (木)

年がら年中長嶋茂雄

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新潮社の季刊誌『考える人』の編集長、河野通和さんのメール・マガジンを愛読しています。暮れに配信されたものの中に、「今年は、『年がら年中長嶋茂雄』(ベースボール・マガジン社)という日めくりカレンダーを愛用しました」というのがありました。

全編あの長嶋語録で埋められたカレンダーで、

初めての還暦、ましてや今年は年男ということで……。

サバって漢字はどう書きましたっけ? そうでしたそうでした。魚ヘンにブルーでしたね。

プライベートな時間は、リラックスするのが一番なんです。それがネクストに対するエネルギーになるんですね。

などというのが収録されているとのこと。そして、このカレンダーには曜日が入っていないので、いつの年でも使えるのだそうです。

それで、僕もこれが急に欲しくなり、さっそく買い求めることにしたのでした。届いたカレンダーをパラパラ捲っていると、長嶋語録の明るさが清々しい。

全体的には、監督時代のものが多いようで、これらがまた味わい深い。

監督業というものは、毎年毎年厄を迎えているようなもんですよ。

僕の場合は、忘れるというよりは、切り換えですね。

勝負は家に帰って風呂に入るまでわかりません。

マジック点灯といってもですねえ、あくまでマジックの世界ですから……。

おお、いまのはいい。打球に "品がある" だろ?

など、単に能天気というのではなく、職業野球人としての生真面目な姿勢がにじみ出ています。

今年は、この日めくりカレンダーで一日一日を過ごそうと思っているのです。

2013年7月30日 (火)

放送大学の試験が終わった

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放送大学の一学期の単位認定試験が終わった。僕が履修していたのは「英語圏の言語と文化」。

この科目は、イギリス人やアメリカ人以外の人たちによって英語で書かれた小説や随筆を読んで、現在の英語文学の多様性に触れるという興味あるものだった。

授業で取り上げられた作品は次の八作。

Zadie Smith, On Beauty
Ha Jin, The Crazed
Toni Morrison, Beloved
Pankaj Mishra, The Romantics
V. S. Naipaul, Literary Occasions
J. M. Coetzee, Youth
Khaled Hosseini, The Kite Runner
村上春樹『ノルウェイの森』(英訳)

村上春樹以外は読んだことのない作家ばかりで、かろうじて名前を知っているのはトニ・モリソン一人だけだった。

授業で触れているのは、当然のごとく原文のごく一部なのだが、どれもが魅力ある内容だった。これらのいくつかは邦訳されているし、また、映画化された作品もある。図書館が所蔵している邦訳もあるので、いつか読んでみたい。

単位認定試験は作品そのものに限定されて出題されたのだが、印刷教材にはバーナード・ウィルソン先生の Postcolonialism, Literature, Translation と題する長文の論文が連載され、また、各回の放送授業では同先生に対するインタビューも使われている。

つまり、授業の要求は単位認定試験の内容よりももっと幅が広く、また深いということなのだろう。僕の学力は、論文を読み解き、インタビューを聞き取るにははるかに及ばないのだが。

ともあれ、一学期の授業はこれで修了。二学期はどの科目を選択しようか。

2013年6月22日 (土)

父の日の贈り物

Itunescard

息子から iTunes Card をもらった。父の日の贈り物とのこと。

以前 iPod を持っていたときは、頻繁に iTunes で音楽ファイルを操作していた。でも、iPod はそんなには音質がよくないので、MD にダビングすることが多くなり、iTunes を起動することも少なくなって、まもなく iPod は処分したのだった。

それでも、せっかくの iTunes Card なので、レコードや CD を入手するまでもないと感じていた曲を何曲か iTunes Store から購入してみようと思った。

初めにダウンロードしたのは、オズワルディーニョ・ダ・クイーカの『セウゾリーニョス』。

この曲は、何年か前に小野リサさんがポッドキャストで紹介していたサンバ。A B という構造になっていて、A がオズワルディーニョの歌声、B がユニゾンによる合唱で、これが何度か繰り返される。全体的には楽しい曲なのだが、三連符を効果的に使った B の部分がサウダージ溢れるサンバになっていて、聴いていてジーンとくる。

次に、カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、ジョアン・ジルベルトの三人が共演した『ブラジルの水彩画』。これは FM 放送で聴いていたもの。三者三様の歌は当然のことながら、編曲もまた聴きもの。

このほか、クァルテート・エン・シーとヴィニシウス・ヂ・モライスが共演した『イタプアンの午後』、マイルス・デイヴィスの『サマー・ナイト』、UB 40 の『レッド・レッド・ワイン』、ザ・トラヴェリング・ウィルベリーズの『ハンドル・ウィズ・ケア』など。

これらをパソコンや iPhone で聴いてみた。

ダウンロードした音源は AAC エンコーダで圧縮されたもので、ファイルの大きさは、非圧縮のものに比べて約 5 分の 1 になっている。音質は良くない。それに、なぜか、音像がすべて右側に片寄っている。

こんな品質では、iTunes Store で配信されるものは試聴用として扱うしかないようだ。ここではアルバム全体をダウンロードすることもできるのだが、僕にはとてもこんな選択はできない。

ま、一曲が 150 円ないしは 200 円という価格は、僕らが親しんだドーナツ盤よりも安いわけだから、大きな期待は禁物ということなのだろう。

2013年6月15日 (土)

セシル・マクビー・・・

街に用事があるとき、駅ビルに立ち寄ることが多い。買い物のほかに、食事をしたり、書店でブラブラしたり、喫茶店で休んだり。

先日、この駅ビルに出店している衣料品店の中に『Cecil McBee』という商標の店を見つけて驚いた。もっとも、驚いているのは僕だけなのかもしれないのだが、それというのも、セシル・マクビーと言って僕が思い浮かべるのはただ一人、ジャズのベース奏者だから。

インターネットの情報によれば、『Cecil McBee』は国内の衣料品メーカーの商標とのこと。マクビーが日本国内で衣料品店を経営しているというのでは、もちろんない。

それで、当然の如く、マクビーは商標権の無効を求めて訴えたが、裁判所は「本名はミドルネームを入れたセシル・リロイ・マクビーであること。その略称である『セシル・マクビー』という名称はジャズの世界では有名かもしれないが、それを超えて有名とは言えない」とし、その訴えを棄却した、とされる。

この「それを超えて有名とは言えない」は、なんとも引っかかる言い方だなあ。

それにもし、『パブロ・ピカソ』を商標に使ったとしたら、ピカソの本名はパブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シブリアーノ・センティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソであって、『パブロ・ピカソ』はその略称であり、また、美術の世界を超えて有名であるとは言えないから、別に使ってもかまわないよ、となるのかな。

ま、セシル・マクビーにはとんだ災難だったなあと、チャールズ・ロイドのレコードを聴きながら思ったのだった。

Forest Flower (Atlantic)

Forest Flower - Sunrise
Forest Flower - Sunset
Sorcery
Song of Her
East of the Sun

Charles Lloyd (tenor sax, flute)
Keith Jarrett (piano)
Cecil McBee (bass)
Jack DeJonette (drums)
1966, at the Monterey Jazz Festival

Forestflower

2013年1月23日 (水)

ライナー・ノーツを電子書籍リーダーで読む

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毎日、LP や CD を取り出して、音楽を聴いている。自分が持っていない音源は、図書館から CD を借りて、MD に録音している。このとき、ライナー・ノーツも同時に作っている(「カセット・テープからミニ・ディスクへ」)。

これを作る作業は、スキャナで画像ファイル化 --> OCR ソフトでテキスト・ファイル化 --> LaTeX で PDF ファイル化、という手順。生成された PDF ファイルは最終的に紙に印刷しているのだが、ここでふと、せっかく電子書籍リーダーがあるのだから、これで読んでみようと思った。

電子書籍リーダーではフォントの大きさが変えられ、それに応じて改行、改頁の位置が自動的に決定される。でも、この機能に対応した形式のファイルを作るのは相当にむずかしいので、ここでは PDF ファイルをそのまま読むことにした。

リーダーの画面を紙に見立て、LaTeX で用紙幅や高さを決め、マージンを少なめにし、フォントの大きさを設定する。こうして、MD 80 枚分、55 タイトルのライナー・ノーツを作成し、リーダーに転送した。

ハイドンが 16 枚、9 タイトルもあって、自分でも意外な気がした。

2013年1月10日 (木)

ふしぎな形のおもちゃ

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息子夫婦が赤ちゃんを連れてときどき遊びに来る。会うたびに何がしか変化が見られる。子どもの成長は早い。

この間はふしぎな形のおもちゃを持ってきた。つかんで振ると、やさしい木の音がする。どうにか、ものをつかめるようになったのだ。おもちゃの形が面白い。テンセグリティという構造なのだそうだ。

初めて聞くこの名前は、圧縮材どうしが互いに接続されず、両端に張られた張力材とのバランスで成立している構造体をいうらしい。なるほど、確かにそうなっている。

押したり引っ張ったりしても壊れずに、構造が維持されているところがおもしろい、と大人は思った。

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