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2017年4月

2017年4月29日 (土)

ミュシャの絵のジャケット

いま国立新美術館でミュシャ展が開催されているようだ。会期は六月五日までとなっているが、いろいろと用事があるので、行けそうにない。

ミュシャというと、彼の絵をジャケットに使ったレコードが手元にある。これは当時の東芝 EMI が「フランス音楽のエスプリ・シリーズ」と題して発売したもの。このシリーズが最近になって CD でも発売された。

http://wmg.jp/special/lesprit/

EMI はワーナー・ミュージックに売却されたので、レーベルもロゴも変更されている。

この新シリーズにはパレナン四重奏団の「ドビュッシー、ラヴェル:弦楽四重奏曲」や「ショーソン:ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のためのコンセール他」も入っていて、僕にもそのレコードがあるのだが、ジャケットは別のものになっている。

つまり、このシリーズは、当時既発売のフランス音楽の音源にミュシャの絵をあしらい、意匠を新たに再発売したものということらしい。

ジャケットの大きな LP でもう何枚か欲しくなった。

Dscn0922
Maurice Ravel : Sonate pour Violon et Piano, Sonate pour Violon et Violoncelle, Trio en la mineur pour Piano, Violon et Violoncelle

Gerard Jarry, violon
Georges Pludermacher, piano
Michel Tournus, violoncelle
1970-73

Dscn0921
Cesar Franck : Quatuor a Cordes

Quatuor Parrenin
1972

2017年4月21日 (金)

丸谷才一編著『ロンドンで本を読む』

Photo

丸谷才一の随筆を読んでいると、たまにイギリスの書評について書いたものにぶつかる。イギリスの書評がいかに程度が高くて、しかも楽しめるものであるかを力説しているのだが、そのたびに「なるほど」とか「そうだろうな」とか思うだけだった。実際にその書評を読んでいないのだから、仕方がない。

それではというので、書評そのものを翻訳し、それをまとめて一冊にしたのが本書というわけだ。

取り上げられているのは新刊にかぎらない。再販されたものがあり、英訳された外国の小説があり、写真集まである。それに、イギリスの書評は長さがまちまちで、かなり長い論文風になっているのもある。

内容はかなりむずかしいが、本質を射抜いて、ハッとさせられる箇所も多い。たとえば、村上春樹『象の消滅』の書評、リチャード・ロイド・パリー、小野寺健訳『わんさかワタナベ』はこんなふうである。

この滑稽で不気味な短編集には奥行きが欠けているとすれば、それはこれらの短編がぜったいに答えや慰めをあたえようとしないからである。この短編集の世界では、だれ一人満足していないし、本物とも思えない。洞察力も猜疑心も想像力も、役に立たないのだ。

本書で丸谷才一は次のように述べている。

対象である本を罵つて読者に快哉を叫ばせるのがよい書評だと思つてゐる人もゐるけれど、わたしに言はせれば、原則的には、さういふ本は取り上げる必要がない。大事なのは、読むに価する重要な本の重要性を、普通の読者に向けてすつきりと語ることなのである。

これはつまり、書評者がどの本を取り上げるのかが重要であるということなのだろう。

無意味な罵りやおためごかしとは一切無縁の一冊。

丸谷才一編著『ロンドンで本を読む』(マガジンハウス、2001)

2017年4月14日 (金)

懐かしのサラ・マイルズ

いま NHK BS プレミアムで『名探偵ポワロ』が再放送されている。これを録画しておいて、好きな時間に見ている。

この間は『ホロー荘の殺人』というのをやっていた。ポワロが招かれたアンカテル卿の屋敷で殺人事件が起きるという話。2005 年に放送されたものの再放送らしい。

このアンカテル卿を演じた俳優に見覚えがあったのだが、あとで調べてみたら、同じ NHK の『シャーロック・ホームズの冒険』の二代目ワトソン役エドワード・ハードウィックだった。主役がいいのはもちろんだけれど、脇役がまた渋いなあ。

だが、『ホロー荘の殺人』でエドワード・ハードウィック以上に存在感を示していたのが、アンカテル卿の夫人ルーシーを演じた女優だった。この人もどこかで見たことがあるような気がしたけれど、ドラマを見ているときは思い出せなかった。それでこれもあとで調べてみたら、サラ・マイルズとのことで、驚いた。

サラ・マイルズが主演した映画はこれまでたった二本しか見ていない。デヴィッド・リーンが監督した『ライアンの娘』と三島由紀夫の原作を映画化した『午後の曳航』。二本とも好きな映画だったなあ。この若いときの雰囲気が『ホロー荘の殺人』でも感じられ、懐かしかった。

ところで、サラ・マイルズがずっと昔、NHK 教育テレビの英語の番組に出ていた記憶があるのだけれど、このことを知る情報はネット上でも見つけることができなかった。それとも、僕の思い違いなのかな。

2017年4月 8日 (土)

エルガー:海の絵

Seapictures

手元に音楽之友社の『クラシック・ディスク・コレクション 301』という冊子がある。1996 年発行のもので、もう内容が古いのだが、いまだに時々読み返している。というのは、一般的にはそれほど知られていない曲が多く収録されているから。

この中にエルガーの《海の絵 作品 37》というのがある。この曲を藤野竣介氏が次のように紹介していて、聴いてみたくなった。

《海の絵》は五曲からなる、コントラルトあるいはメッゾ・ソプラノと管弦楽の連作歌曲。(中略)みなチャーミングな佳曲揃いだ。どの曲もエルガーの筆は伸びやか。世紀末の煩悶とは無縁の地平で、海をめぐるロマンチックな夢想を楽しんでいる。

買い求めたのは藤野氏が紹介していたジャネット・ベイカーとジョン・バルビローリ指揮ロンドン交響楽団のもの。海を題材にした多くの曲のように、深々として、伸びやかで、豊かな気持ちになる。

併録の曲は同じエルガーのチェロ協奏曲。有名なジャクリーヌ・デュ・プレのもの。この組み合わせが初出当時のものらしい。

《海の絵》は録音が少なく、この冊子の刊行当時、国内盤ではほかにデラ・ジョーンズとチャールズ・マッケラス指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のものがあるのみだったという。

Elgar : Cello Concerto, Sea Pictures (EMI)

Jacqueline Du Pre (Cello)
Janet Baker (Contralto)
The London Symphony Orchestra
conducted by Sir John Barbirolli
1965

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