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2016年8月28日 (日)

カーソン・マッカラーズの小説

 

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カーソン・マッカラーズの小説を初めて読んだ。マッカラーズは名前も知らない作家だったけれど、雑誌『MONKEY Vol.7 古典復活』を紹介したブログ中の、柴田元幸と村上春樹の対談記事を読んで興味が湧いたのだった。

マッカラーズの小説は、この雑誌が出た時点で、すべて絶版となっていて、ちょうど対談時に村上春樹が翻訳作業を進めていた『結婚式のメンバー』が今ようやく新潮文庫から刊行されたばかりなのだった。

ということで、マッカラーズの小説は現在すべて高値で取り引きされ、入手がむずかしいのだが、市の図書館では十分な冊数を所蔵している。僕の借りた短篇集『悲しき酒場の唄』など、とても状態がよく、いかにも借り手が少なかったことを示している。市場では稀覯本、しかし図書館では借り手が少ないという矛盾した状況が、マッカラーズという作家の不思議な立場を暗示しているようだ。

『悲しき酒場の唄』はアメリカ南部を舞台にしたものだが、描かれた世界は複雑で奇妙で異常で、また暴力的でもある。秩序や合理性が通用しない世界といってもいいのだが、訳者の西田実氏は巻末で、これを「グロテスク」と形容するのが手短であると解説している。

『騎手』は六篇の短篇で構成されているが、こちらは『悲しき酒場の唄』に比べればはるかに読みやすい。それぞれの世界が凝縮されて読者に提示される。

カーソン・マッカラーズ 西田実訳『悲しき酒場の唄』(白水社、1990)
悲しき酒場の唄
騎手
 天才少女
 騎手
 マダム・ジレンスキーとフィンランドの王様
 旅人
 家庭の事情
 木 石 雲

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