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2016年5月 8日 (日)

ディーリアス:管弦楽曲

Deliusorchestralworks

音楽評論家の出谷啓氏は、少年時代にディーリアスの音楽と出会ったときのことを回想し、次のように述べている。

何も主張しない音楽。路傍の花のような音楽。何も主張しない代わりに、人が気付くのをじっと待っている。聴き手の優しさとか、感受性を試すような、恐ろしくも美しい音楽があるのを少年は知ったのである。少年はディーリアスの作品を聴いていると、どこまでも優しくなれるような気がした。

ディーリアスの音楽を聴くと、「路傍の花のような音楽」と表現した出谷氏の気持ちが身近に感じられる。音楽が向こうからやってきて、聴き手の気持ちをいやがおうにも高揚させるなどとは正反対に位置する音楽。聴き手に静かに対話を求めるような音楽と言っていいのかもしれない。

ディーリアスは、僕には、「素湯のような」と形容された岩本素白の随筆を思わせる。

Delius : Orchestral Works (EMI)

A Song of Summer
"Irmelin" Prelude
The Walk to the Paradise Garden
In a Summer Garden
La Calinda (arr. Fenby)
On Hearing the First Cuckoo in Spring
Brigg Fair - An English Rhapsody

The London Symphony Orchestra
The Halle Orchestra
Cond. by Sir John Barbirolli
1968, 1969, 1970

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クラシック音楽」カテゴリの記事

コメント

ひらさん、こんばんは。

「路傍の花のような音楽」なるほど、です。
私はそういう音楽が好きかもしれません。

土の匂い、空を流れていく雲、ひだまりのあたたかさ、頬を撫でる風の心地良さ…緩やかに流れる時間の中に身を置く幸福感。私にとってディーリアスはそういう音楽かな。

ひらさんの記事を読んだら「春初めてのカッコウの声を聴いて」が聴きたくなり手に取りました。

ANNA さん、こんにちは。

> 土の匂い、空を流れていく雲、ひだまりのあたたかさ、頬を撫でる風の心地良さ…緩やかに流れる時間の中に身を置く幸福感。私にとってディーリアスはそういう音楽かな。

同感です。ディーリアスの曲は音楽を慈しんで聴く大切さを教えている気がします。

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