堀江俊幸と串田孫一
引き続き、堀江さんの随筆集『アイロンと朝の詩人 回送電車 III』を読んでいます。第三集は 2004 年から 2006 までの間に発表されたものを中心にまとめられています。この中に日常的な生活を綴った文章があって、興味深いです。
『明かりの質』で、蛍光灯の明かりと質が苦手で、白熱灯の照明器具を使っていること。
『電子レンジ』で、ホット・ミルクを作るのに電子レンジを利用してみたら、おそろしく均一に熱くなるという現実にどうしても慣れることができず、行平鍋に戻ってしまったこと。
『いつでもどこでも、仕事ができる』で、鉋がけしたような均一な削りかすになる鉛筆削りの代わりに、不揃いなかすを出すナイフ、それもカッターは邪道と信じ、宗近肥後ナイフを砥石で生き返らせて使いつづけていること。
これらの随筆を読んでいると、『雪沼とその周辺』『河岸忘日抄』などの世界が、堀江さんの実生活と密接なつながりをもって描かれていることがわかります。
ここで、僕はどうしたって串田孫一『文房具 52 話』(時事通信社、1996)を思いださずにはいられない。これら生活の道具に対する接し方には串田さんに共通するものが多いと思います。
山口耀久編『アルプ 特集 串田孫一』(山と渓谷社、2007)が出版されたとき、新聞の書評欄で堀江さんは、
今後、串田孫一の文章に即した読解と正当な評価が、それにふさわしい言葉でなされていくことを期待したい。
と結んでいたのですが、僕は、堀江さんこそが串田さんの幅広い仕事を正しく言葉にできる一人に違いないと思うのでした。
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コメント
ひらさん、こんばんは。
今日は、ピアノの発表会でした。今回は現在勉強中のバッハ
平均律クラヴィーア曲集第1巻からフーガを弾いてきました。
まずは 無事に終わって、ひと安心です。
この1週間は、曲の仕上げをしながら、梅酒を仕込んだり
来日中のカルミナ四重奏団の演奏会に出かけたりしていました。
こちらの随筆集ですが未読でした。堀江さんが生活道具について
述べた文章 私も好きなんですよね。読んでみようと思います。
投稿: ANNA | 2009年6月13日 (土) 21時46分
□◇ ANNA さん
こんにちは。
お忙しそうだけれど、素敵な一週間でしたね。
僕は、仕事がようやく終わった週末に、ひとりで蕎麦屋さんで一杯やってました。
身の回りの道具は、その人となりの一面を表していますね。
図書館にある堀江さんの本は、この随筆集でもうほとんど読んでしまいました。次は翻訳ものにしようかな。
投稿: ひら | 2009年6月14日 (日) 19時04分