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2009年6月の6件の記事

堀江敏幸のデビュー作『郊外へ』

Photo 堀江敏幸さんのデビュー作『郊外へ』は 1995 年に白水社から出版され、その後、2000 年に同社の新書、白水 u ブックスの一冊として刊行されました。著者自身のあとがきによると、「発売当時、本書はいわゆる留学体験をつづったエッセイ、もしくは紀行文として読まれ、書評などでもそのように扱われることが多かった」が、「一連の物語に登場する「私」とその周辺の出来事は、完全な虚構である」とされています。

内容は、フランス留学時にパリ近郊を散策したときの体験から、小説、写真、映画、音楽などに思いをめぐらした随想集のような体裁となっています。随筆集『回送電車』に先立つ散文として、しかも主題をパリ近郊に求めたものとして読むこともできます。

そして、この『郊外へ』はデビュー作にして、すでにゆるぎない独自の文学世界が構築されているのでした。

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カートリッジの交換

V15typeiii 僕が常用しているカートリッジは Shure 社の V15 type III なのですが、最近になって片チャンネルから出るチリチリという微かな雑音に悩まされるようになりました。そして、この雑音が盤によって出たり出なかったりと、捉えどころのない状態なのです。

そこで、Shure M44GX を替わりに使っていたのですが、さすがに音の粗さが気になったので、以前愛用していた Shure V15 type IV をまた使ってみようかなと思いたち、交換針を買い求めて久しぶりに聴いてみました。

type IV の音はもう忘れかけていたのですが、針先が音溝に余裕をもって追従するところに不安がないし、左右の音の分離が明快で、しなやかでくせがなく、しかもダイナミックな再生音は音源を選びません。それに、音楽がとても静かに再生されるのがいいですね。S/N 比がいいのかな。

さて、type III の雑音の原因は未だにはっきりしないのですが、リード線の接続不良ではなさそうだし、まして本体の故障も考えられないので、とりあえずレコード針を現在の丸針から楕円針に交換して様子をみてみようかなと考えています。

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キャノンボール・アダレイとセルジオ・メンデスのフォンタナ盤

Adderleyandmendes キャノンボール・アダレイとセルジオ・メンデスの共演盤については前にいちど記事を載せていたのですが、盤の溝が痛んで雑音がひどいので、新たに買い直しました。

前の盤はキャピトル・レーベルで、ジャケットにはブラジル 66 時代のものと思われるメンデスの写真が使われ、録音とは時代的には前後していたのですが、こちらはフォンタナ・レーベルで、ジャケットは楽器を描いた絵になっています。

曲の配列も大きく変わり、フォンタナ盤には『ジャイヴ・サンバ』が追加されています。この『ジャイヴ・サンバ』は、同時期にアダレイが率いていた六重奏団のセッションによるもので、このためにアルバム全体の統一感は大きく損なわれています。

というわけで、このアルバムについては未だ満足する盤が見つからないのですが、音そのものには問題がないので、しばらくはフォンタナ盤を聴き続けようと思います。

アダレイはアメリカのジャズ奏者なので、サウダージを感じさせるには今一つというところがありますが、現地のリズムに伍してなかなかの演奏を披露していると思います。

Cannonball's Bossa Nova (Fontana)

Corcovado (Quiet Nights of Quiet Stars)
Clouds
Joyce's Samba
Batida Diferente
Sambop
Groovy Samba
Minha Saudade
O Amor Em Paz (Once I Loved)

Pedro Paulo, trumpet
Cannonball Adderley, alto sax
Paulo Moura, alto sax
Sergio Mendes, piano
Durval Ferreira, guitar
Octavio Bailey Jr., bass
Dom Um Romão, drums
Dec.7, 10 & 11, 1962, NYC

Jive Samba

Nat Adderley, cornet
Cannonball Adderley, alto sax
Yusef Lateef, tenor sax, flute
Joe Zawinul, piano
Sam Jones, bass
Louis Hayes, drums
Sep.21, 1962, San Francisco, CA

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堀江俊幸と串田孫一

Iii 引き続き、堀江さんの随筆集『アイロンと朝の詩人 回送電車 III』を読んでいます。第三集は 2004 年から 2006 までの間に発表されたものを中心にまとめられています。この中に日常的な生活を綴った文章があって、興味深いです。

『明かりの質』で、蛍光灯の明かりと質が苦手で、白熱灯の照明器具を使っていること。

『電子レンジ』で、ホット・ミルクを作るのに電子レンジを利用してみたら、おそろしく均一に熱くなるという現実にどうしても慣れることができず、行平鍋に戻ってしまったこと。

『いつでもどこでも、仕事ができる』で、鉋がけしたような均一な削りかすになる鉛筆削りの代わりに、不揃いなかすを出すナイフ、それもカッターは邪道と信じ、宗近肥後ナイフを砥石で生き返らせて使いつづけていること。

これらの随筆を読んでいると、『雪沼とその周辺』『河岸忘日抄』などの世界が、堀江さんの実生活と密接なつながりをもって描かれていることがわかります。

ここで、僕はどうしたって串田孫一『文房具 52 話』(時事通信社、1996)を思いださずにはいられない。これら生活の道具に対する接し方には串田さんに共通するものが多いと思います。

山口耀久編『アルプ 特集 串田孫一』(山と渓谷社、2007)が出版されたとき、新聞の書評欄で堀江さんは、

今後、串田孫一の文章に即した読解と正当な評価が、それにふさわしい言葉でなされていくことを期待したい。

と結んでいたのですが、僕は、堀江さんこそが串田さんの幅広い仕事を正しく言葉にできる一人に違いないと思うのでした。

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Ubuntu を使ってみた

Sanfranciscobayblues 前から PC UNIX に興味があって、これまでにいろいろなディストリビューションを試してみました。インストールに成功し、なんとか使えるところまで進んだのは NEC PC-9801 での FreeBSD とアップル Power Macintosh 8500 での Vine Linux で、これらの機種を手放してからは PC UNIX からずっと離れていました。

今年になって書店で雑誌を見ていたら、最近のディストリビューションは CD-ROM から起動し、ハード・ディスクにインストールしないまま導入して、使い勝手を体験できるようになっていることを知りました。そして、その後に本格的に導入すればよいのです。

このようにして、遊休パソコンで Ubuntu という聞きなれない名前のものを使ってみました。以前のものに比べ、インストールが驚くほど簡単に済みました。その後の設定もほとんどが GUI 上でできるようになっていて、MS-Windows や Mac OS と変わりなく扱うことができます。こんなことだったらもっと早く導入してみたかったなあ。

画像は、デスクトップをスクリーン・ショットしたもの。YouTube でピーター・ポール・アンド・マリーの『サン・フランシスコ湾ブルース』を聴いているところです。この記事も Ubuntu から投稿しています。

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フォルクローレが聴ける店

Tierra 地元の大学生たちによる雑誌『kulo』の創刊号がカフェの特集になっていて、市内の何店かが紹介されています。この中の『ティエラ』Tierra が気になっていたのですが、この間とうとう行ってきました。

僕が入ったときには、舞台上でフォルクローレが演奏されていました。ここでは、月二回ほどベル・ヴィエントス Belle Vientos という団体の演奏会が開かれているのです。

フォルクローレの演奏なんて珍しいけれど、地元の大学に同好会があって、以前はときどき駅舎の通路で演奏していて、そのたびに大きな人だかりができていたのです。『ティエラ』の店主はこの同好会と交流があるようです。

僕は最後の二曲だけしか聴けなかったのですが、店内のお客さんたちと一体になった雰囲気がなかなかよかったです。フォルクローレは郷愁を誘いますね。それに、アコースティックな楽器は演奏者の息づかいがじかに感じられて、迫力が違います。

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