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2009年2月の6件の記事

ローズとグールドのバッハ : ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集

Violadagambasonatas グレン・グールドのバッハについてはクラヴィーアのための曲集をあらかた持っているので、僕としてはこれで満足しています。彼はほかにもヴァイオリンやヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ集も録音しているのですが、こちらはジギスヴァルト・クイケンやアンナー・ビルスマの盤のほうが僕には好ましく思えるので、彼らの演奏を聴くことが多いのです。

ところが、ときに無性にグールドの演奏を聴きたくなることがあって、そうしたときにはハイメ・ラレードやレナード・ローズとの共演盤を引っ張り出して聴いているのです。こちらはディスクを持っていないので、図書館から借りてきた CD をカセット・テープにダビングしたものです。

というわけで、久しぶりにローズとグールドのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集を聴きました。「チェロの神経がやや太すぎる」などと必ずしも高い評価は得られていない演奏なのですが、僕にはこちらもやはりいいなと感じました。きびきびとした明快なラインと弾むようなリズムはこれに比較できるほかの演奏がないのです。

なのに、ディスクの購入をためらって、ダビングしたカセット・テープをいまだに聴き続けているのもおかしな話だけれど、ま、つまり僕はケチンボなんだろうなあ。

それから、MD とか CD-R じゃなくて、いまどきまだカセット・テープにダビングしているのはティアックのカセット・テープ・デッキ V-7000 の音が気に入っているからです。

画像はダビングしたカセット・テープのために自作したジャケットです。グールドの写真をスキャナで画像ファイルにし、ノイズを加えて、さらにコントラストを強調し、ザラッとした感じにしています。

Johann Sebastian Bach (1685-1750) : Sonatas for Viola da Gamba and Harpsichord Nos.1-3, BWV 1027-1029 (CBS)

Sonata for Viola da Gamba and Harpsichord No.1 in G major, BWV 1027
Sonata for Viola da Gamba and Harpsichord No.2 in D major, BWV 1028
Sonata for Viola da Gamba and Harpsichord No.3 in G minor, BWV 1029

Leonard Rose, Cello
Glenn Gould, Piano
May 28 and 29, 1974

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セロニアス・モンク : ザ・ユニーク

Theunique この LP の粟村政昭氏による解説にはセロニアス・モンクがそれまでのプレスティッジ・レコードからリヴァーサイド・レコードに移籍するときのいきさつが紹介されています。

モンクが 1955 年にリヴァーサイドと契約するとき彼にはプレスティッジに 108 ドル 27 セントの借金が残っていたのですが、リヴァーサイドのオリン・キープニューズ氏はこれを前払いして清算したうえで、彼を自社に迎え入れたといいます。プレスティッジ側が契約の解消にあっさりと応じた背景には、それまでに録音されたモンクのレコードが軒並み売れ行き不振で、同社のオーナーであるボブ・ワインストック氏も音を上げていたためだろうと解説されています。

なるほど、モンクのプレスティッジ時代にはこれといって話題に上る録音というのはないし、僕にも 10 インチ盤 LP の『セロニアス・モンク・トリオ』(1952)が一枚あるだけなのです。

こうした経緯でリヴァーサイドに移ったモンクはまず『セロニアス・モンク・プレイズ・デューク・エリントン』(1955)、次にこの『ザ・ユニーク』(1956)、そして、ついに三作目の『ブリリアント・コーナーズ』(1956)という自作曲集で一躍モダン・ジャズ界の大物ミュージシャンとしてその存在が認められることになったのでした。

このように見てくると、モンクを引き抜いたキープニューズ氏の慧眼ぶりがあらためて認識されます。

そうすると、初めの二作がエリントン集、スタンダード集であったのには、ジャズ・ファンに対するある種のサーヴィスであったのかとも感じられます。でも、この『ザ・ユニーク』におけるモンクの演奏は、スタンダード曲に対する聴き手のそれまでのイメージを驚きとともに一掃するような新鮮なもので、こちらはこちらでエリントン集ともどもやはり手放すことのできないレコードだなあと思うのでした。

Thelonious Monk : The Unique (Riverside)

Liza
Memories of You (unaccompanied piano solo)
Haneysuckle Rose
Darn That Dream
Tea for Two
You Are Too Beautifull
Just You, Just Me

Thelonious Monk (piano)
Oscar Pettiford (bass)
Art Blakey (drums)
Mar. 17 and Apr. 3, 1956, New Jersey

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ブラームス : クラリネット五重奏曲

Clarinetquintet ブラームスのクラリネット五重奏曲は 1967 年に録音されたカール・ライスターとアマデウス弦楽四重奏団の盤で聴いていました。

これはブラームスの弦楽五重奏曲、ピアノ五重奏曲、弦楽六重奏曲とともに収録されて、CD 三枚組で発売された西ドイツ盤で、弦楽五、六重奏曲四曲の演奏がとても良いし、ふくよかな音で録音されているので愛聴しているのです。ただ、ピアノ五重奏曲とクラリネット五重奏曲についてはほかにもっといい録音があるかもしれないなと思っていました。

それで、ウェストミンスター名盤シリーズという国内盤 LP の中にレオポルド・ウラッハとウィーン・コンツェルトハウス四重奏団による演奏を見つけて買い求めたのがこの盤です。

ウラッハのクラリネットは少々くぐもった音色ではあるけれど、低音から高音までなめらかで、その演奏もまことにきめ細やか。緩抒楽章などは侘び寂びの世界。録音はたしかに古いものですが、弦楽器に溶け込んで一体となった様子がうまくとらえられています。

このシリーズにはモーツァルトのクラリネット五重奏曲などもあるので、機会があったら聴いてみたいなと思います。

Johannes Brhams (1833-1897) : Clarinet Quintet in B minor, Op.115 (Westminster)

Leopold Wlach, Clarinet
The Vienna Konzerthaus Quartet

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堀江敏幸編『記憶に残っていること』

Photo 堀江敏幸の『未見坂』を読んでいて、巻末の出版案内で知ったのがこの『記憶に残っていること』。これは、1998 年に創刊された新潮クレスト・ブックスの 10 周年を記念して、これまで出版された短篇から堀江敏幸が編んだ 10 篇からなるアンソロジーです。

ここ 10 年の間に出版された世界の最も新しい短篇が味わえるとても贅沢なものであるとともに、堀江敏幸が選んだ 10 人の作家の 10 の短篇とはどういうものかといったことにも興味津々な一冊です。

まず、デイヴィッド・ベズモーズギス David Bezmozgis『マッサージ療法士ロマン・バーマン』Roman Berman, Massage Therapist (2004)。ラトヴィアからカナダに移住した移民一世と移住先で生まれた二世との意識の差。新天地でチャンスを得ようと頼りを期待した先で、手土産に届けた手作りのケーキを礼儀正しく、しかしきっぱりと拒まれる痛々しさ。僕は、学生のころに読んだアラン・シリトーの小説を思い出しました。

アンソニー・ドーア Anthony Doerr『もつれた糸』A Tangle by the Rapid River (2001)。暗いうちに起き出し、コーヒーやらソーセージやらライ麦パンを支度して釣りに出かける場面はヘミングウェイを思い出させます。そして、釣りの最中に起きた取り返しのつかない誤り。

エリザベス・ギルバート Elizabeth Gilbert『エルクの言葉』Elk Talk (1997)。人里離れた山小屋で暮らす夫婦と甥。そこに突然現れる闖入者。そして、野生動物に対する彼らの許しがたい行為。この短篇は、巷間かしましい「エコ」や「地球にやさしい」などという軽薄な言葉を吹き飛ばし、その真の意味を僕らに提示しています。

これらの 10 篇はそのどれもが小さな棘を持っていて、僕らは読み終えたあとにいつまでも消えない疼きを感じるのです。そして、僕は身を削るような創作行為から生み出されたこれらの小説を手にして、彼らの活動に限りない敬意を表したいと思うのでした。

最後に「人はなにかを失わずになにかを得ることはできない」と題する堀江敏幸の解説が載っています。

堀江敏幸編『記憶に残っていること』(新潮社、2008)

デイヴィッド・ベズモーズギス『マッサージ療法士ロマン・バーマン』
アンソニー・ドーア『もつれた糸』
エリザベス・ギルバート『エルクの言葉』
アダム・ヘイズリット『献身的な愛』
ジュンパ・ラヒリ『ピルサダさんが食事に来たころ』
イーユン・リー『あまりもの』
アリステア・マクラウド『島』
アリス・マンロー『記憶に残っていること』
ベルンハルト・シュリンク『息子』
ウィリアム・トレヴァー『死者とともに』

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ブラウン・アンド・ローチ・インコーポレイテッド

Brownroachinc クリフォード・ブラウンとマックス・ローチの双頭コンボはマーキュリー / エマーシー・レーベルに四作、GNP レーベルにライヴを一作、プレスティッジ・レーベルにソニー・ロリズ名義で一作を残しています。僕はブラウンが大好きで、これらのほかのアルバムも集めているのですが、やはり初期の演奏により大きな愛着を感じています。

『ブラウン・ローチ・インコーポレイテッド』はこのコンボ最初のアルバムですが、ほかのものに比べていまひとつ人気がないようです。僕としては不思議な気持ちでこのレコードを聴いているのですが、全体的に曲の魅力が乏しいのと、ドラムスのソロが大きくフィーチュアされて押し出しの強い感じを与えるのがその原因なのかなと思い当たりました。

でも、やはりこのアルバムもほかと同様にいいですね。ブラウンはもちろん鮮やかな吹奏ぶりだし、ハロルド・ランドのソロで通した『ダーン・ザット・ドリーム』にしても、ランドが作り出すフレージングの綾が細やかな情緒を感じさせます。GNP の LP 盤では無惨にもソロがカットされたランドですが、それぞれのアルバムでその実力が記録されていると思います。

セッションの合間に撮ったと思われるジャケット写真もなかなかいい雰囲気です。

Brown and Roach Incorporated (Mercury / EmArcy)

Sweet Clifford
Ghost of a Chance
Stompin' at the Savoy
I'll String Along with You
Mildama
Darn That Dream
I Get a Kick Out of You

Clifford Brown (trumpet)
Harold Land (tenor sax)
Richie Powell (piano)
George Morrow (bass)
Max Roach (drums)
Aug. 2, 3, 6 and 10, 1954, LA

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デジタルとアナログの保守点検

しばらく前からコンピュータの調子が悪くなっていたので、きょうはこれと格闘していました。

このコンピュータは二年前に購入したパソコン販売店のオリジナル品なのですが、いちどフロッピィ・ディスクとメモリ・カードなどが一体になったドライヴが壊れて、交換していました。その後さらに、起動時に異音が発生したり、作業中に突然電源が落ちたりするトラブルが続いていたのです。

こういうときは、パーツを組み付け直し、また OS を入れ直すのがいいと思って作業を始めたら、プロダクト・キーが見当たらず、あちこち探したら、本体の横に貼り付けているのを発見するまでしばらくかかってガックリ。

OS が入った CD から起動して再インストールしたのですが、これが大変に時間のかかる作業。途中、二枚目の CD を要求されて問題なく進んだのですが、さらにもう一枚の CD を要求するコメント。CD は二枚しかないので、これがなにを指しているのかがわからない。結局、一枚目の CD に戻るというのが正解だったのですが、ここらへんでもう疲労困憊。

と、ま、なんとか作業は終えたんですが、なかなか素敵な商品ですね、MS-Windows は。Mac OS ではちょっと考えられないけれど・・・。

ところで、僕のオーディオなんですが、しばらく前から LP を聴くときに限って右側のスピーカからチリチリと雑音が聞こえて、その原因を探していました。

アンプの点検したら、ここにはどうも問題がなさそうだとわかって、それではと思ってカートリッジを替えたら雑音がなくなるという現象。そこで、ここを点検していたのですが、カートリッジとシェルを結ぶリード線を替えたら、雑音が消えると同時に、音が見違えるほどクリアになりました。

僕が常用しているカートリッジはシュアの V-15 type III という古いものなのですが、リード線との接触が悪くなっていたようです。

デジタルとちがってアナログは保守点検が楽だなー。

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